リサイクルで、船 [釣り具の製作]
カーボンロットの話 [釣り具の製作]
込み合わせの、アレコレ [釣り具の製作]
断捨離終了
万力の処分をする為、多くの竿掛けを、リメイクしたり、新調したりし、メンテナンスもしました。これらのほとんどは、釣り具倉庫101に販売を委託しました。手元に残したのは、この2セットでした。
1本物の竿掛けは、1部分を2重にした、柔らかく、返りの速い、猫足の竿掛けです。歯車の万力がセットされています。
2本物は、同じ万力で、1本半でも使えるもので、竹が2重になった竿掛けです。2重の効果は、他の竹と、一味違った、高い反発力で、速い返りを生んでいます。
セットの万力は、八岐大蛇、彫刻万力で、四神の彫刻万力と同じタイプです。製作時期は、随分前で、最初の作品です。
この万力は、後ろネジで、微調整が効くことと、使用中に、角度が変わらないことが利点です。万力に、8頭の蛇、竿枕は尻尾です。
この万力は、様々な竿掛けと合わせ、使用してきました。今回、2度目の、芯棒抜き替えをしています。
「塗り」の手法 [釣り具の製作]
仕上げ
仕上げ方法は、「漆の塗り仕上げ」、「ウレタンの塗り仕上げ」、「漆の拭き込み仕上げ」の3パターンから、選んでいます。
特徴
漆の塗り仕上げは、落ち着いた艶があり、上品な仕上がりになります。長持ちさせるには、まめに、メンテナンスをする必要が有ります。
ウレタンの塗り仕上げは、丁寧に扱っていれば、長く、メンテナンスフリーで使えます。しかし、剥離や、変色が始まると、全体を剥がして、塗り直すなど、大変です。
漆の拭き込み仕上げは、長持ちしませんが、メンテナンスが、非常に楽です。多くの場合、洗浄して、表面を軽く荒らし、漆を拭き直せば、新品に戻ります。
使い分け
竿掛けは、ウレタンの塗り仕上げが多く、自分で面倒を見るものに限り、漆の塗り仕上げにしています。
万力などで、「紫檀」や、「黒檀」など、硬く、塗料の浸透し難い材料は、ウレタンが、剥離し易くなります。この様な材料は、漆の拭き込みです。拭き込むほどに、味も出て来ます。
杜松などの柔らかい木材は、木固めエースを浸透させてから、漆の拭き込みをしています。
以前、杜松などは、ウレタンの塗り仕上げでしたが、何かにぶつけたり、擦ったりすると、長持ちしないので、最近は、採用が減りました。
美しく、仕上げる鍵は、塗料の塗り方、私の手法を紹介します。
塗料
2液ウレタンは、粘着性が高く、竹や金属などにも、塗れます。多くの材料に使え、以前と違い、変色も無くなりました。
ウレタンは、開封すると、変質しやすくなります。使いかけは、光を遮断して、保管すると、長持ちします。
竿掛けの装飾 [釣り具の製作]
夏の酷暑で遅れていた、竿掛けの製作も、完成が近づいてきました。装飾は、鮫皮巻、篭目編み、互菱編みと、マーブルカラーです。
鮫皮巻
鮫皮巻は、浅く研ぎ、水玉文様にする場合と、ぎりぎりまで深く研ぎ、網目文様にする場合があります。今回は、上、網目文様にしました。
2本物の竿掛け [釣り具の製作]
竿掛けに、求めるもの
竿掛けには、3つの要素を考えます。面白さ、利便性、フィーリングです。
金継ぎの竿掛け、ラッキョウ竹の竿掛けは、面白さを優先しています。
カーボンの竿掛けは、1本、1本半、2本で使える様にされています。竹にも、同じようなものが有ります。長竿に合わせているので、短い竿には、硬すぎます。
利便性を重視すると、フィーリングが、犠牲になるのは、避けられません。
私は、様々な試みで、竿掛けを作っています。面白さを求めたり、フィーリングを求めたりです。1本物では、柔らかな竹に、短い、ハードな竹を、何本か継ぐことで、一つの答えを出しました。
フィーリング
竿掛けは、竿を乗せた時、適度に曲がり、その弾力で、合わせをアシストしてくれます。
カーボンと、竹では、合わせの動作が、異なります。竹竿では、肘を伸ばし、竿を、押し出すようにします。カーボンでは、手首を返し、斜め前方に上げます。
竹竿には、少しハードで、胴調子、カーボンでは、ソフトで、返りが速い、先調子が、ベストと考えています。
近況
2本物の竿掛けを、製作中だが、冷房の無い作業場なので、込み合わせまで進んでから、ストップしています。雨が降るなど、酷暑が、一段落してほしい。
これが材料、現在は、万力に取り付け、竿が乗せられるので、比較試験をすることにした。
セットの竿掛け作り [釣り具の製作]
これまで、多くの万力を作ったが、合わせる竿掛けが、足りていない。断捨離の為、マッチする竿掛けを、作ることにした。サメ皮や、貝など、材料も多いので、贅沢に使う事にする。
オーバーホールした、これらの万力、短い、華やかな、竿掛けが欲しい。
ベースデザインは、この竿掛け、竿に優しく、返りが速い、しかも余分に曲がらない。大事な、愛用品になっている。
2本ある、これを、再利用することにした。
金継ぎの竿掛け [釣り具の製作]
リフォーム
10年くらい前に作った竿掛け、栽培竹の、半製品を購入して作ったものだ。最近、乾漆の装飾部分が、傷んできたので、リフォームすることにした。超極細の藤を使い、網代巻にすることにした。
この竿掛けは、竹の組織がしっかりしていて、柔らかいが腰が強い。カーボン12尺くらいまでが、乗せられる。小節で、美しい、優等生の竹なので、高級な材料を使い、オーソドックスな手法を選んだ。
天然であれ、栽培であれ、良い竹は、完成品にする。2番手は、半製品、3番手は、火入れ済、最後は、原竹のままである。良いものは、コストを掛け、高く売る。残念な物は、手間を省き、易く売りさばく。これが、普通の考え方。良い竹が欲しいなら、完成品や、半製品を、信用のおける店で選ぶ。掘り出し物は、見つからないと、思った方が良い。
今回の主役は、この竹、節目が深く凹み、普通には、節抜きも出来ない。竹の組織が、スカスカで、ごみ箱に入ってもおかしくない。
しかし、1.4m位で、13節、小節で、節間のバランスも良い。ポコポコした形は、面白みが有る。
このような竹は、良し悪しでなく、面白いかどうかで、評価すべき。「銘品」は、出来ないが、「へうげもの」が、出来る。
13節のうち、8節が、この様な状態、アイデアが必要である。