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カーボンロットの話 [釣り具の製作]

 良い竿の条件

 私は、錘重量の選択に、注意を払います。ヘラ浮子の性能を、最大に、発揮させられるからです。一般に、竿は、錘が軽くなると、振り込みにくくなります。落とし込みや、振り切りなどの、コントロールが難しくなります。

 良い竿の条件は、軽い錘重量でも、軽快に捌け、思惑通りの、プレゼンテーションが出来る竿です。

  

 テスト

 錘と、ヘラ浮子の間隔を、竿の長さの、2割程度の長さにして、送り込みをします。少々の向かい風でも、余裕をもって、コントロールできれば、〇です。良い条件なら、何とか使えるなら、△です。悪条件の下でも、軽快に使えるなら、◎です。軽い重量に、〇が付けば、良い竿になります。

 送り込み能力の、高い竿は、回し振りでも、タスキ振りでも、仕掛けが、素直に追従します。取り込みも、快適です。

 世間の評判と、全く関係なく、評価が下されます。

  

 事件

 これまで、18尺くらいの長さでは、1.1gに△が付けば、良い方でした。0.96gの場合、追い風でないと、失速して、コントロールできません。

     

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 硬めの21尺に、袴を作り、17.7尺で、使いました。0.96gに〇に近い、△が付けられました。回し振出は、仕掛けが、気持ちよく追従するので、軽快に捌けます。袴で、市販品より、高評価になったのです。

     

 何故?

 太さや、長さ、テーパーの状態など、各パーツを調べました。所持しているものは勿論、釣具店などでも、観察して、調べてみました。竹竿も含め、参考になりそうなものは、全てです。そして、数多くの袴を作り、実釣テストを繰り返し、確かめました。


 ヘラ竿は、元から、Ⅰ/3程度が、極端なスローテーパー、もしくは直管になっています。そこから先は、一定に近いテーパーになっています。これで、竹竿に似た、胴調子が生まれているようです。1本の竿に、2本が、同居しています。

 

 カーボンロット

 カーボン素材の長所は、高反発力と、高感度です。良く出来た、ルアーロット、フライロット、投げ竿などでは、小さい力で、遠くまで飛ばせます。鮎竿や、船竿、磯竿では、高感度が、釣り方を、変えてう程です。

 

 ヘラブナ釣りの竿に、この様な恩恵は皆無で、軽くなっただけの様です。私は、袴を着けて、スローテーパーや、直管になっている部分を、外しました。

     

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 結果、カーボン素材の、良い部分が、顔を出しました。

   

 パラボリックアクション

 竿を、ユックリ揺らすと、曲りのポイントが現れます。その位置により、先調子、胴調子、本調子などと呼ばれます。

     

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 パラボラとは、放物線の事、この曲がり方の竿は、曲がりのポイントが、消失します。Aの軟らかい竿は、全体が曲がるように感じます。Eになると、曲がらない、こん棒の様に感じます。

   

 カーボン素材の長所を、最大限に引き出すと、この様な竿になります。そして、これまでのヘラ竿とは、全く違った感触になります。

    

 私のヘラ竿

 8尺から、18尺の、各尺と、21尺が、硬軟2本有りました。袴を作って、テストを繰り返し、残ったのは、12尺、14尺に、21尺が2本で、新品11尺が加わりました。ノーマルな物は、有りません。

   

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 新品11尺は、袴の11尺と、比べました。袴の11尺が、圧勝でした。

 30㎝位切って、握りを作り直し、10.3尺、袴で8尺、尺袴で9尺になりました。全て超硬で、Eタイプの曲りです。しかし、市販品と大差なく、特別な物には、なりませんでした。

 短くなった元竿には、長い、竿栓を作り、元上と、長さを合わせています。

    

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 軟調の12尺は、元竿をカットして、11尺、袴で9尺です。Bタイプの曲がり方ですが、市販品と大差ない竿です。

     

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 硬調5本継ぎ14尺は、ノーマルな状態では、0.6gに甘い△で、高い評価はできない竿でした。しかし、この竿は、大きく化けました。

 袴11尺は、タイプDの曲りで、0.3gが、◎に近いレベルです。弱い向かい風なら、軽快にコントロールできます。

 尺袴の12尺は、タイプDの曲りで、0.3gに△、0.4gなら〇です。11尺ほどの軽快さは無くなりました。

 尺切13尺は、タイプDの曲りで、0.4gに△で、軽快さは無くなりました。しかし、元の14尺とは、雲泥の差になっています。

     

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 軟調21尺は、2本抜いて、握りを直付けし、13.7尺にしました。タイプAで、0.4gに〇が付けられます。良い方に、大きく化けました。

 元竿と、元上は、2本とも直管で、長袴の材料になりました。

 先3本に袴で、10.3尺は、タイプAで、0.3gに〇です。柔らかくても、風に負けない良竿です。

    

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 硬めの21尺は、袴17.7尺、14尺、2尺袴15.7尺になりました。

 17.7尺は、前出の通りで、市販品の、17尺や、18尺よりは、高いレベルです。

 14尺は、0.4gに△ですが、13.7尺には及びません。

 15.7尺は、市販品よりは、ましなレベルでしたが、カットして、15尺にしました。

     

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 この15尺は、テスト中ですが、0.5gに〇が付けられそうです。0.76gでの使用では、市販品に無い、軽快な感触で、別次元です。

 現状、袴11尺、直付け13.7尺、この15尺が、別次元の、良竿になっています。

   

 竿に求める性能

 12尺0.3g、14尺0.4g、16尺0.5g、18尺0.6gが、軽く、コントロール良く、送り込める。これが、カーボンロットに、求める性能で、十分可能であると思います。袴の竿が、それを、証明していると思います。


 市場には、高級品から、廉価版まで、和竿の、出来損ないばかりが並んでいる。

 カーボン素材の、長所を、最大限に生かす、新たな思想で、竿を作る。

 その様な、メーカーが現れる事を、望んでいます。

 

 袴の勧め   

 使わなくなった古い竿や、長竿に、袴を、作ると、別世界が、現れるかもしれません。

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