SSブログ

藤編みの小箱 4 特殊な藤編み [木工]

 白葛の編み箱
 去年の正倉院展で、公開された御物に、白葛の編み箱があります。これを見て、市松模様を描くのに、最適と思いました。編み方は、不明なので、自分なりに、市松模様が、浮かび上がるように、編み方を考えました。

 編み込みで、藤の動きは、和裁の本返し縫いと、同じようにすすめます。少し違うのは、右に進むたび、1段ずつ、上がることと、裏側で、1回、反時計回りに、捻ることです。

 天板の編み込み
 編み初めは、裏から見て、右下からです。最初は、1目で終わりなので、反時計回りに巻いて、接着するだけです。藤は、水を含ませ、癖付けをすると、スムーズに進みます。

     P3090022.jpg
     P3090023.jpg
     

 藤色を換えて、2本目の竹、下段右側から、表側に、接着し、巻いて裏側に出します。1回反時計回りに捻り、端の竹に、巻き付けて接着、2本目終了です。

     P3090024.jpg
     P3090025.jpg

 4mm真鍮丸棒を、曲げて、切れ込みを、入れたものが、藤を捻る工具です。狙ったところを、捻ることが出来ます。

     P3090026.jpg
     P3090028.jpg
     P3090029.jpg

 かぎ針で、藤を、シゴク様にして丸め、細くします。この作業を、丁寧に行うと、表の、2倍数の藤が、巧く収まってくれます。

     P3090031.jpg
     P3090032.jpg
     P3090033.jpg

 試作品で、捻った部分を、様々な道具を使い、重ねたり、細くして並べたりしました。結果、かぎ針と、先を曲げた、捻り棒を使い、長く細くすることが、巧く収めるコツと判りました。

     P3100035.jpg

 編み込みが、半分くらい進んだ時、天板の枠が、歪んでいるのに気が付きました。藤が乾燥するとき、縮むことが、原因です。ベニヤ板にはめ込み、歪まない様にしました。

     P3110036.jpg

 編み終わって、乾燥後、組み付け治具に入れ、軽く、金槌でたたき、歪抜きをしました。完璧には、治りませんでしたが、組み立てに、支障が出ない様になりました。

 側面の編み込み
 編み初めは、辺の、中央付近です。0.5mm厚、真鍮版を、段の長さに切り、2つ折りにして、竹の間に挟みました。藤の、位置を決める為の、当りです。

     P3140039.jpg
     P3140040.jpg

 コーナーの中間で、中断し、別の辺から編み初めます。この時、上下を入れ替えます。これで、編み進める方向が、替わります。

 角の部分は、藤が、混み合い、巻き留めるのが、難しくなります。その為です。

     P3220009.jpg

 編み込みの、結合部は、藤が巧く差し込めません。竹を、細く平らに削り、差し込んで、筋道を開けて、編み進めました。

     P3220013.jpg

 編み終わりましたが、組み付け、接着は、もう少し後です。

     P3240015.jpg
     P3240017.jpg
     P4020019.jpg

 目止め処理
 2液ウレタンを塗り、木粉(粗目)を、撒いて、指の腹で、軽くこすります。

     P4020023.jpg
     

 乾燥したら、漆(合成)を塗り、木粉(細粒)を、撒いて少し強くこすります。

     P4020020.jpg

 乾燥後、漆を浸みこませ、完全硬化させて、サンドペーパーを掛けます。

     P4020025.jpg

 天板と、底板を、組み付け、接着し、漆を多くした、木屑漆で、接着面を目止めしました。

     P4030027.jpg

 箱は、完成していません。

 完成は、次回です。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。