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暇人工房のセット釣り [妄想釣人]

筏川
 遥か昔の12月、穏やかに晴れ、放射冷却の影響で、凍りつく寒さであった。早朝から車を走らせ、筏川の準寄せ場に向かった。一番乗りで、他の釣り人はいない。時間を掛けて見回り、橋の近くに、釣り場を決めた頃、多くの釣り人もやってきた。
     

私は、18尺の両グルテンで、カッツケ釣り、回りの嘲笑が聞こえる中、釣り始めた。10分ほどで、初アタリ、30分もしない間に、入れ食い状態になる。
     

恨み言が聞こえる中、昼前に納竿した。
     
 このような経験は、1度や2度ではありません。
   
 12月は、浅棚が面白い。
    

棚読み

名古屋の厳寒期、池の水温が、一番低くなるのは、2月頃です。そうしてみると、1月と3月、12月と4月は、同じくらいの水温になりそうです。
    

池に、酸素を供給するのは、雨や雪、そして、植物プランクトンの光合成です。夏に、大量発生したプランクトンは、水の濁りとして残っています。
     

12月は、冬至に近く、太陽の高度は、一番低くなります。光合成に必要な光は、水底近くまでは及びません。
     

私の棚読みは、天気の流れと、水の透明度を、判断材料にしています。大雨が降り、風が吹くと、水底まで酸素がいきわたり、床釣りが面白い。
     

穏やかな日が続くと、下層に冷水が集まり、酸素濃度も低くなる。正宙より上の、セット釣りが本命になります。
     

風越池のセット釣り

私が釣りをするのは、午後の3時間です。魚影が薄くなったので、寄せるのに、30分程度、掛かります。効率よく、釣れる釣り方を、見つけないと、ボウズもあります。

仕掛け
     

12尺の竿に、0.5gの錘で、ヘラ浮子は、4種類を使っています。
     
     PC070010.jpg
     
 バランスのパターンは、右端がF型、残りはMF型です。立ち上がり深度が、深くなるように調整しています。明確な使い分けは無く、「換えてみる」といった感じです。
    

上鈎は5号、鈎素長6cmくらい、下鈎は3号、鈎素長は、ヘラ鮒に聞いています。

      

冬の仕掛けには、錘の上に、ケプラーとの三つ編みが、着けてあります。端の結び目には、アロンアルファーを浸み込ませ、解けないようにしています。
     
     PC070001.jpg
     

バラケ餌

段差バラケ、マッハ、グルバラ各一袋を、45リットルのゴミ袋に入れます。口を閉じて、10分ほどシェーク、均一に混ぜ合わせます。これを袋に戻したものと、段底を釣り場にもって行きます。
    

ミックス4、水1を入れ、熊手でかき混ぜます。3~4分ほどなじませると、柔ボソタッチの元餌になります。ミックスを少しずつ振りかけて、抜けるタイミングを、±1秒くらいの誤差で、調整します。
     

バラケ餌の、抜けるタイミングは、水加減で大きく変化します。ミックス餌は、微調整がやり易くなります。
     

 段底は、比重調整で使い、0.5~1杯を、最初に混ぜます。
     

カウント

セットの釣りでは、カウントをしながら釣りをしています。浮子が立ち上がって、餌落ち通過が、カウントの開始です。
     
 風越池は、餌が抜けるまで7秒、アタリ待ち時間8秒です。抜ける餌の場合、1秒から25秒くらいで、サイクルを考えます。
     

ヘラ鮒が寄り付いて、しばらくの時間は、現状把握で、アタリを取りません。カウントと、浮子の動きで、ヘラ鮒の動きを読みます。
     

計算

大型水槽を使った実験で、バラケ餌の状態や、喰わせ餌の位置関係が、明確に判断できるようになりました。
    
 何度かサワリが出ると、時間を基に、ヘラ鮒の位置を、割り出せます。
    

餌落ち通過でカウント開始、喰わせ餌は、ワカン付近に在ります。餌は、秒速3秒ほどで落下します。サワリの出たカウントに、3を掛ければ、ワカンからの長さになります。
    
 下鈎の鈎素長は、その長さ+3cmくらいで、最適な長さになります。
      

可変鈎素

魚影の薄い池では、スレを引きたくありません。最適な下鈎の鈎素長は、可変鈎素で、長さを調節しています。
     
     PC070005.jpg
     

40cmの鈎素を、三つ編に付け、錘で押さえ、輪カンに通します。
    
 セット釣りのヘラ鮒たち

Aのヘラ鮒は、棚が深すぎたときに表れます。浅い棚で釣っていたなら、与太ベラかもしれません。
    
 また、ヘラ鮒は、抜けるまでに、散った粒子に反応して、ユックリ近づきます。抜けるまでの時間が長いと、Aの領域に進入します。
   

カラツンや、スレに結びつく、ヘラ鮒たちです。
    
  PC070008.jpg
     

Bで、餌の広がりは4cmくらい、周りに少量のバラケ粒子があります。ヘラ鮒は、回りから吸い込みます。食い気タップリのヘラ鮒には、餌にアタックするものもいます。
     

○Bのヘラ鮒が、餌の塊を吸い込むと、残りの餌は、散り散りになり、落下が遅くなります。Cの領域に、濃度の薄いバラケ煙幕が出来ます。
     

BからCの領域は30~40cm、通過時間は、10秒強です。アタリ待ちの時間が長いと、下層に行きそうです。
     

Cでは、7cmくらいに濃い餌が広がり、10cmくらいに薄いバラケ粒子が散在します。バラケ煙幕に入るものが、増えるように思います。
     

Dのヘラ鮒たちは、漂う様に落ちる、バラケ餌を食べています。濃度が薄い為、煙幕の中に入って、動きます。
    

BやCのヘラ鮒が増えると、Dには餌が落ちてこなくなり、上がるように思います。
     

魚影の薄い池では、A~Dのどこかと、プラスアルファ-になるようです。
    

バラケ餌と喰わせ餌のリンク

風越池は、餌が抜けるまで7秒、アタリ待ち時間8秒です。抜ける餌の場合、10秒から25秒くらいで、サイクルを考えます。
     

喰いアタリの出るタイミングは、7秒くらいと、13秒くらいが多くなっています。
    
 喰わせ餌の鈎素は20~24cm、7秒は、喰わせ餌のなじみ際、バラケ煙幕に近づく時で、横方向に、円弧を滑るように移動しています。
     

13秒は、なじみ後で、バラケ煙幕から抜け出て、2~3秒後だと思います。

    
     PB180029.jpg
     
 写真の状態では、カラツンが多い。
 バラケが沈下して、喰わせ餌が抜け出る。この時点から3秒間にチャンスがある。
     
 喰わせ餌の軌道

餌の落ちる周囲に、ドーナツ状に寄り付きます。ヘラ鮒のご機嫌と、バラケ煙幕の状態で、ヘラ鮒の位置は、変化します。
     
  PC090014.jpg
     

緑ヘラに緑のライン、青ヘラに青のラインで合います。ミスマッチだと、アタリが消失したり、カラツンばかりになったりと、巧くありません。
     

喰わせ餌の軌道は、3本書かれています。竿捌きや、ヘラ浮子の違いで、変化しますし、毎回同じでもありません。
     

ヘラ浮子は、どれでも良いときがあり、どれか1つのときもあります。
       

 可変リンク

ヘラ鮒の活性が高いと、バラケ餌のすぐ近くに寄ってきます。カラツンばかりとなります。しかし、下鈎鈎素を短くすると、アタリが消える。よくある話です。
    
 オレンジのヘラ鮒が、その状態です。(ピンクのラインには反応が無い)
     
     PC070004.jpg
     

三つ編に鈎素を結び、そのまま使います。喰わせ餌の軌道が、外側まで伸び、釣れる様になることがあります。(紫のラインだと、すぐ近くを通る)
     

この方法を始めたのは、最近なので、判らない部分が多いのですが、なじみ際のアタリが多く出ています。オフセットの長さ(6cm前後)、鈎素の長さ(25cmくらい)とも、短めのときに、いい結果が出ています。
     

流れる場所で、段差の床釣り

ある程度、強い流れが出ると、バラケ餌の、ドーナツ状の渦が、壊れてしまいます。落下時間が長くなり、バラケ餌の広がりが、大きくなります。
    
 対策は、浮子下を長くして、バラケ餌の位置を、床に近づけます。
     

喰わせ餌の落下は、遅らせると、流れの下手に移動させられます。可変リンクの仕掛けで、最適な場所に、喰わせ餌を誘導できます。(浮子は、FかMFを使います)
     

三つ編仕掛けの錘ベタ

段差の床釣りで、アタリが遅い場合、流れが速すぎる場合など、仕掛けは、ポイントを外れて、流れて行きます。こんな時は、あきらめて釣り方を変更します。
     
     PC070006.jpg
     

錘ベタで、三つ編が、活躍します。上下の鈎素を、三つ網に結び、ワカンに抜きます。浮子の錘負荷を、3~5割軽くします。誘導式の錘ベタになります。
     

ヘドロが深い場所では、錘位置を上にズラシます。錘は埋まりますが、道糸と鈎素は、ヘドロの上に残ります。
     

魚影の薄い釣り場のセット釣り
    

一定のリズムで打ち、棚を作る。
    
 ヘラ鮒が寄ったら現状把握、アタリを欲しがらず、様子を見る。
     
 適正な鈎素長を計算して、確実なアタリを引き出します。
     
 カラツンの原因は、餌の軌道にあるので、
    
 鈎素の調整をマメに行い、ヘラ浮子の交換や、仕掛けの変更も考える。


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