SSブログ
焼印の作り方 ブログトップ
- | 次の10件

焼印、彫ります! [焼印の作り方]

4.ポイントの穴あけと粗彫り

 字の曲がり角、囲まれた部分、枠の境目などに三目切りで穴をあけていきます。バイトの入り口や出口になります。やり方は、キリのポイントを正確に合わせて押しつけ、キリが逃げないようにします。軽く削り取れればいいので、力を入れる必要はありません。正確に入れることが求められます。

     

        星がいっぱい
 次に、ポイントの穴を繋ぐように舟形のバイトで線彫りをしていきます。ケースの上に平ヤスリを当てます。それを梃子の支点にして、バイトを動かします。欲張らずに、少しずつ何回かに分けて削るようにします。ここで大事なのは、削り取る部分の真ん中に、彫りの線が来るようにすることです。次に、大きく削り取る部分を有る程度まで削っていきます。

 

   
            彫ってます!
 線の太い字が浮き出るように、バランスを見て彫ります。字の輪郭が見えてきたら、軽く印面を水研ぎペーパーで研ぎます。すると、凹んだところに研ぎかすが入り、また、ケガキの線が殆ど消えて、字がハッキリと出てきます。この一回目の研ぎまでが、焼き印作りで一番難しいところです。旨くバランスが取れていれば、彫りの線を深くしていけば、自然に美しく彫り上がります。

 

     

          ここまで来ると一安心

5.修正作業

粗彫りが済んで、「バランスが取れていない」と感じたら修正をします。一つの方法は、タガネを使う方法です。少しなら線を移動させることが出来ます。斜めからタガネを当てて修正していきます。但し、大きく動かすと割れて来ますし、他の線にも影響します。もう一つは、印面を研いで粗彫りを修正する方法です。粗彫りの部分が浅くなり、削り直しが出来ます。粗彫りと、この一回目の修正で、字の形がバランス良く浮かんでくれば、8割方出来たのと同然です。しかし、ハッキリ失敗したと感じた場合は、反対の面を使って彫り直しをした方が得策です。そのまま彫り進んでも、巧くいくことは、殆どありません。

文字は、「研いで、彫って、タガネで修正」の繰り返しで形を決めていきます。この時、何もない部分の彫りを深くしておくとバイトが自由に動かし易くなります。

 




 


     


 

 

 

 

 


焼印を仕上げます [焼印の作り方]

6.彫って、研いで、叩いて、完成へ
 修正作業が繰り返しながら、彫り進んで行きます。気を付けることは、焼印は、「焼いたときに線が太く出る」「出ていない線が出てくる」ということです。それは、通常の印鑑と違い、焼けて素材に食い込むからです。「止め、撥ね、祓い」は字の流れを見て彫ることです。また、細かいところや、バイトの入れにくい所は、タガネを使って修正して下さい。

     
             完成間近
 彫り上がる前に、スタンプで確認をします。薄いゴム版の上で押すと焼いたときに出る文字に近い物が出ます。その字を見ながら最後の仕上げをします。切り出しで引っ掻くように削ると、微調整が出来ます。

        
     修正後                       修正前
7.枠取り、ハンダゴテと接合
 彫り上がったら周りを切り取りハンダゴテと接合します。周りを切り取るときは、
印面を傷つけるとひどいので、少し控えて糸鋸を入れます。つぎに、ヤスリで枠の外側を削りますが、焼印を打つときに位置が解りやすいように、先の方は、ぎりぎりまで削った方が良いでしょう。根本側は、これから穴をあけて小手先と接合するので不都合が起きないように、四角の部分を残すようにします。

      
      ハンダゴテは使い回すので、4mmの真鍮丸棒を付けた。

 穴あけ加工は、印面に傷を付けないように、ケースに入れてバイスに挟んでください。12mmぐらい小手先が入ればもんだいありません。マスキングテープでドリルを一巻きすればどこまで穴が開いたのか確認できます。センタポンチを使って固定するので、サイドにも2~3mmぐらいドリルで穴をあけます。ポンチを強く打っておけば、後で外れることは、ほとんどありません。小手先を少し削ると深く入ります。また、ヒーターの先のネジを緩めて小手先を外して作業すると、トラブルになりません。


  


 完成したので、後は試し打ちをするだけです。

 

 


焼印の完成 [焼印の作り方]

8.試し打ち

 最初に温度を上げすぎの状態まで上げます。金属の色が変わり、赤みがかってきます。時間は、コンセントに繋いで7~8分ぐらいでしょう。先ず、杉や檜などの端材に打って、温度が十分上がっているのを確かめます。次に、コンセントを抜いて温度を下げながら数多く打っていきます。適当な焼け具合の物で、問題がないか確かめます。不具合が有れば冷えてから、小手先を外し、切り出しを使って、引っ掻くように削って直します。


    


 運悪く削って直らない物なら、印面を研ぎ直すか、一から作り直しになります。しかし、字の崩れが小さければ、打つ物によって味が出ることもあります。また、何処を直せば巧くいくのか焼印を見ると解ることもあります。作った物は保存しておくことです。


9.完成

 焼印が完成したら、ひたすら練習をすることを進めます。焼印は、一発勝負です。コツを掴むまでは、色々な材料に打ってみることです。高野竹と矢竹では、焼印の食い付き方などが、全く違ってきます。温度や力の入れ方を変えて試して下さい。そして、本番の前にも、同じ材料で練習することです。失敗を少なくするには、それが一番だと思います。

   
 
 最後に編んだ、互菱とカゴメ編みは、こんな感じに成っています。これは、20cm程の針外しです。焼印がはいると些細な物でも雰囲気がよくなります。

 
 


- | 次の10件 焼印の作り方 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。