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八寸のヘラブナ [妄想釣人]

 8寸のヘラブナは、4歳(満2~3歳)くらい、成長期の真っただ中です。翌年には、9寸~尺近くになっています。8寸のヘラブナが、毎年、顔を見せるということは、ヘラブナが、順調に育っていることを意味します。

 ヘラブナの育たない池は、毎年、釣れるサイズが、少しずつ、大きくなっていきます。その代り、釣れる数が、少しずつ、減っていきます。

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 この池は、維摩池です。春には、大助を狙う釣り人で賑わいます。しかし、ハタキのシーズンが終わると、閑散としています。この池、産卵行動は、活発ですが、8寸のヘラブナは、あまり見かけません。順調に育つことができない、「何か」が有るようです。

 名古屋市の北東部には、数多くの池があります。釣りのできる池のほとんどは、維摩池と同じタイプです。ヘラブナが、順調に育つ池は、貴重なのです。

 放流
 秋から初冬、多くの放流がされます。単純に、ヘラブナが増えると、喜ぶ釣り人が多い様です。しかし、放流は、病原菌や、微生物、寄生虫なども放たれます。成魚に影響が無くても、稚魚や、幼魚に、被害がでることもあります。また、鵜を呼び寄せ、食害が、酷くなることもあります。手放しでは、喜べません。

 放流は、プラスだけでは、ありません。それで、8寸のヘラブナが、減ったのであれば、考え直すことも必要です。

 自然な管理池
 自然を生かした、管理釣り場があります。桟橋は、作られていないか、岸沿いのみです。良好な環境が、この池を支えています。ヘラブナの放流は、行わないのが基本で、育ったヘラブナを、大事にします。

 管理者は、池の環境を守ることが、役割になります。

 ヘラ釣りアミューズメントパーク
 池に、多くの桟橋が掛けられ、過密な量のヘラブナが、放たれています。毎年、数トンのヘラブナが、放流され、正月の、書き入れ時に、備えられます。

 元々、過密な所に、大量のヘラブナを放流すると、酸欠が起こるほど、過剰になります。そうならないのは、病気や、薬害で、ヘラブナが、多く、死んでいる為です。放流は、追加ではなく、補填です。

 この様な池の、真似をすると、大破綻が生じます。

 古き、良き、風越池
 釣行記を、ブログに載せた頃、この池は、良好でした。暖かい時期、8寸から尺くらいのヘラブナが、午後の3時間ほどで、30枚以上、期待できました。

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 初冬から、翌年の春まで、この池には、多くの鵜がやって来ました。早朝や、釣り人の帰宅後、雨の日などは、30羽以上が入っていました。大まかに計算すると、1~2トンくらい、食害が発生していた様です。

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 毎年、寿命や、病気、怪我などでも、多くのヘラブナが、死んでいる筈です。風越池の、ヘラブナのマイナス分は、2~3トンに上っていたでしょう。

 風越池には、ヘラブナが増える為の、最良の環境が、整っていました。数多くのヘラブナが死んでも、それに見合う数の、ヘラブナが育っていました。毎年、数多くの、8寸のヘラブナが、顔を見せ、それを証明していました。

 経緯
 風越池には、4年前から、去年まで、イカリムシの薬剤が散布されました。池の様子から、トリクロルホン(有機リン酸系の殺虫成分)を主剤に、アクリノール(消毒薬)などが添加されたものと、推測されます。

 この種の薬剤は、ポピュラーで、ホームセンターでも、簡単に手に入れられます。注意事項に、「稚魚には使えません。」、「稚魚には、使わないでください。」などと、記載されています。

 適正な濃度でも、稚魚は、死んでしまいます。濃度が高ければ、成魚にも被害が出ます。

 実際に使われたのは、業務用であると考えられます。一般の人が、水槽に使うものでは、純度が低く、膨大な量が必要です。

 調達を担った人物は、池に撒かれることを、知っていた筈です。しかし、池で、「どの様な事が起こるのか?」は、理解できなかった様です。

 風越池の現状
 今年は、薬剤が使われなかった様で、多くのスジ海老が、復活しました。また、数を減らしていた、ヨシノボリなども、増えていました。しかし、ヘラブナには、捲かれて年が経ち、深刻な状況が、生まれています。

 2歳から4歳のヘラブナは、孵化して間もなく、稚魚の時に、薬を浴びました。生存を確認できません。全て死んでしまったようです。今頃、手の平から9寸近くに、育つヘラブナは、その時失われました。

 5歳魚は、明け2歳、手の平に満たないころ、薬剤の影響を受けました。この世代も、生存を確認できていません。

 6~7歳、ブログに載せた、ガリガリに痩せたヘラブナは、この世代です。尺を越えた位に育ち、時折、顔を見せてくれます。しかし、この世代は、アタリ年で、数トン居ても、おかしくありません。薬害と、下の世代がいない為、鵜の食害が、集中した様です。

 今年生まれた当歳魚、4月の天候不順と、5月の記録的高温のせいか、少なくなっています。

 結局、風越池で、釣れるヘラブナは、大型の年無しがほとんどで、偶に、尺くらいが上がります。二ケタは、望み薄で、ボウズも珍しくありません。常連の多くが、他の池に移っていきました。

 今年、最初の散布から、4年の月日が経ち、薬害が顕在化しました。しかも、数年は、悪くなる一方です。

 鵜の食害
 様々なサイズが、多く居る池で、鵜の食害は、8寸から尺くらいに集中します。小さいものは、数多く捕らえる必要があります。大きいものは、捕らえるのも、飲み込むのも、苦労します。鵜は、効率よく、栄養が取れるものを、ターゲットにします。

 適当なサイズがいなければ、鵜は、何でも狙います。

 大助が、ほとんどの池でも、何年かに一度、多くのヘラブナが育ち、秋に、当歳魚で賑わいます。

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 ここは、雨池です。一度、当歳魚が沸きました。しかし、翌年の春までに、姿を消しました。

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 ここは、見返り池、以前は、ヘラブナが多く育つ池でした。いつの頃からか、育たなくなり、大助だけの池に変貌しました。

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 この池でも、当歳魚が、沸きました。しかし、鵜に追われたヘラ玉が、オバーフローから、下の白沢川に落ちて行き、下流の堰で、サギの餌になりました。この池では、一瞬で、終わりました。

 破綻
 天候に恵まれ、秋に、多くの当歳魚が、姿を見せても、順調に育つのは、難しくなりました。ヘラブナの世代に、大きな穴が出来たためです。8寸のヘラブナが、多く釣れる、良好な池に戻ることは、絶望的です。

 風越池には、決定的な、大破綻が、生まれました。

 願い
 外来種を入れる事、薬剤を撒く事、この二つは、絶対禁止、最低限の分別です。

 来年は、何処であっても、この様な事が、起こらないことを願います。


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