場所読みの妄想 [妄想釣人]
春の場所読み
ヘラ鮒釣りには、1場所、2餌、3仕掛けという言葉がある。場所を読む技術は、重要なのだが、釣り人は、しばしば、的外れなポイントに竿を出している。
ヘラ鮒の釣れる場所は、季節や地形、風など、様々な要素で変化する。自然条件をどの様に評価するかで、その日の釣果が変わる。
春は、大型のヘラ鮒が顔を出す。場所読みが当たれば、思わぬ程、嬉しい釣果もある。
梅の開花から、桜の開花頃
厳寒期が終わり、巣離れから、乗っ込み、最初のハタキがある時期である。この時期は、産卵行動を念頭に入れ、「水温の高い場所」を考え、場所選びをする。
春の見返り池
見返り池は、大型のヘラ鮒を狙う釣り場である。だが、期待が出来るのは、巣離れからハタキの終了する6月頃までである。場所読みが的確ならば、釣れる確率はグンと良くなる。
見返り池の地形
場所読みは、地形を理解することから始まる。川を堰き止めて作られた池は、地形が複雑である。黄色が1m、オレンジが1.5m、ピンクが2m、紫が3mのラインで、紫の斜線部分が最深部である。北側が浅場、南側が深場である。
1~6番と16番が深場で、7番、9番と13~15番は境界、8番と10~12番が浅場である。
ハタキで、8番と11番の水路に入るのは、3月下旬から4月半ばまでで、それ以降は北側の浅場一帯と、12番から14番の岸際で、夜間にハタキに入る。また、4番の水門付近のゴミにも、一部のヘラ鮒がハタキに来る。
過去には、水量の影響で、7月初めまで遅れたときは、16番一帯がハタキ場所になったこともある。水温の上昇に従い、ヘラ鮒の産卵適地は変わっていく。
風向きと水の流れ
春の風は、北から西の風がほとんどである。だが、南岸低気圧の接近しているときに北東の風が入る。また、低気圧が日本海に入ったときには南から南東の風が入る。
北から西の季節風の吹くとき、2番の堰堤に池側から風が来る(北か北北西)か、堰堤の陸側から吹く(西か西北西)かで、流れの向きが変わる。堰堤と平行に吹くとき(北西)は、池のほとんどで、流れが止まる。
大潮回りの浅場狙い
産卵行動が大潮と重なっている為か、大潮回りでは、巣離れしたヘラ鮒は、浅場に来ていることが多い。当然、浅場や、接続する場所が狙い目である。広い方へ、又は深い方へ、流れる所がポイントになる。
浅い場所や、近い場所は、濁りが入っていると期待ができる。
9番は、最近目立った釣果が無いが、過去には良かった年もある。
10番は、風向きで場所を変えた方が良い場所だ。毎年、何枚かは出るが、大漁は無い場所である。
11番は、ハタキの時だけで、夕方まで頑張ると、喰い始める場合がある。
12番は、崖下と呼ばれる場所だ。春の本命といえる場所だが、なかなか難しい場所である。
濁り水は12~15尺までの宙をセットで狙う。澄んでいれば、18尺に、両グルテンで待ち釣りをする。大潮回りならば、風向きに関係なく、釣れる可能性がある。しかし、判断を誤ると釣れない。技量が必要な場所である。
13番は、梅の咲くころから狙えるが、ハズレが多い場所である。
14,15番は、実績がある場所である。いつも、釣り人が絶えない場所である。しかし、近年、大型のヘラ鮒は、極僅かしか釣れていない。
小潮の深場狙い
狙い場所は、暖かい水が流れた先だ。春は、プランクトンの発生が少なく、水の透明度が高い。水温の上昇しやすいのは、水深が1m前後までの水底部分である。
暖められた水が、水流により、何処へ流れていくかに注目する。小潮回りは、その様な深場の宙に群れていることが多い。
3~6番のワンド内は、風向きにより、ポイントが変わる。西寄りの風は、流れが速くなり、水門近くが良い。北寄りの場合は、流れが弱く、入り口付近が良い。いずれも、堰堤側に分がある。
浅場の温かい水は、水門付近で反転し、かき混ぜられる。混ざる前は浅い棚、混ざった後は少し深い棚にヘラの泳層ができる。フェンス側は、1本以内の棚、堰堤側は1本半が棚である。
通過するところでも、小さな渦が出来るところは可能性がある。7番のワンド向きが該当する。この場所は、高い水温が上層にある。小さな渦を攻めるので、12尺までの短竿で、宙を狙うのが面白い。風が北よりだと、護岸が遮り、温かく快適な釣りになる。
尚、7番西向きは、ハタキ以前の時期に、釣れたことが無い。
東よりの風は、温かい日が続いた後にやってくる。ワンド内は、水温が上がっている。出口になる、6番のフェンス側入り口近くが良くなる。
2番は、ハタキが迫った頃からの場所で、一本前後が棚である。しかし、暖かい雨の場合は、表層まで上がることがある。
桜散る頃から団栗の花が終わる頃
4月初めから6月初め頃で、産卵行動の期間である。大きなハタキは、1~2度だが、産卵行動はその後も続いている。潮との関係は残るが、深場がメインに変わってくる。
見返り池では、ゴールデンウィークの終わり頃から、田に水を使うため、水位が下がっていく。ベースの棚は、徐々に深くなっていく。
深場の水温が上昇するのと、ハタキ後の中休みが始まり、ヘラ鮒の活性が徐々に下がるためである。
但し、水量や水色の影響のほうが大きく出ることが多く、大雨の後は充分期待ができる。
この時期、基本的な場所読みは、変わらないが、浅場はハタキの時だけになる。
深場では7番と2番、3番が、本命の場所となる。ワンド内は、少し水位が下がると面白く、風を背にする側が良い。15番は、水位が下がると、岬のハナとなり、北寄りや西よりの風で、本命ポイントになる。
16番の桟橋は、満水であれば、この時期に釣れる可能性が高い。一本前後がヘラ鮒の棚である。深くすると、真鮒だけになることが多い。
見返り池の場所選び
場所を決めるのは、1潮回り、2風向き、3ポイントの観察である。潮と風向きにより、候補地を決め、泡付けなどの様子で判断する。判断には、天気の流れと水色、水位を考え合わせる。
丁寧な場所選びが、最も必要な池が、見返り池である。
春の場所読み
春の場所読みは、水量の変化、気候の変化が大きい為、難しい一面がある。だが、他でも、場所選びのやり方は、大きく変えていない。
産卵行動の経過を念頭に入れる。地形と風向き、水の流れから、水温の分布を考える。そして、現場を観察して、ポイントを定める。
今日、釣れる所を推理することである。
昨日の実績は、意味を持たない。
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